愚者の黄金


注意




ひたすら暗いです。
救いがないです。
100%BLです。
R指定ギリギリです。





精神年齢の低い方、BLの嫌いな方、ハッピーエンドじゃないと嫌な方、リンクやシークに幸せになって欲しい方は目を閉じてブラウザバックを。










では、どうぞ。










暗い昏いその部屋で、光に属しているのは彼だけだった。
乱れた金髪が白い肢体に絡みつき、暗がりに仄かに浮かび上がる。
「リンク……」
部屋に入った僕の気配を察知して、躯を固くしたのが悲しい。
首に首輪を、四肢には枷を。これだけ徹底的に縛り付けても、彼は僕の手元にはいない……。
「リンク……」
そっと彼の頬に手を伸ばす。顔にかかった髪をはらい、目を覆っていた布と口にはめていたギャグを外して、顎に手をかけ僕の方を向かせる。
「……も、ゆるし…て……」
泣きはらした目から一粒涙を零して、リンクがかすれた声で言う。
「赦す? 何をさ……お前は何も悪くない」
そう、悪いのは僕だ。彼を暗がりに縛り付けたこの僕だ。
「……お、ねが……も、やめて……ここから、出して……」
「……悪いが、それは出来ない」
リンクの懇願に耳を塞いで、僕は彼に深く口づけた。舌と舌を絡め、吸い上げ、余すところなくリンクの口内を犯す。存分に味わってから唇を離すと、リンクの目からもう一粒涙が零れた。
「……やめてくれ……シーク……」
「そう……もっと僕を呼んで……僕を見て……」
半ば理性を放棄して、僕はリンクの躯を貪り快楽に溺れる。
「いやああああっ! シーク、シークっ!」
「リンク、リンクっ……!」
二人分の喘ぎ声、淫靡な水音、鎖が擦れる音、肌がぶつかる音が暗い部屋を満たし、リンクが意識を失うことでやっとそれらが止んだ。幾重にも張り巡らされた鎖に力無く引っかかるその姿は、蜘蛛の巣に捕らわれた蝶のようだった。
「はぁ……はぁ……」
床に座り込んで乱れた息を整えて、僕は1人静かに泣いた。身体は満たされても、心は満たされない……。
「リンク……」
何をどうすれば、彼は僕を愛してくれるんだろう?
「僕を愛して……何でもするから……」
リンクを強く抱きしめて、僕も鎖の上に横たわる。
「リンク……」
閉じられた蒼い瞳から、涙が一粒零れ落ちた。





後書き



激しい妄想に駆られて、なんと1日で書き上げました。
あぁ、私の腐敗もいよいよ重症やわ……。

私にしては珍しくダークでバッドエンドです。……単に鬼畜が好きなだけかも(殴蹴斬



タイトルについてですが、これは金によく似た(そして価値は低い)黄鉄鋼の別称です。
PARADISEの語源を辿っていくと、ペルシャ語のPAIRI-DAEZA「壁に囲まれた黄金」に行き着くんですよね。
それをもじって偽物の楽園という意味でつけたのですが……多分、この解説がないと誰も分からないですよね(爆)

あ、それと作中の「ギャグ」について。
これは西洋版猿ぐつわのことで、木のボールを口に入れて皮のベルトで固定します。
決してお笑いではありませんので……。