剣の誓い


荒野と化したハイラル平原。
その中の、小高い丘に立ち、朽ちてしまった――かつては栄えた町、そしてまた、かつて荘厳な雰囲気を持っていた城を見つめる、一人の青年がいた。
美しい金糸の髪を荒涼とした風に靡かせている彼の深い蒼の瞳には、微かな哀しみと憂愁、そして静かな怒りがうかがい知れる。
彼の視線の先は、今や禍々しくそびえる漆黒の城に向けられていた。
「――リンク。」
「…ナビィ。ああ。考えていた、だけだ」
青年――リンク――に遠慮がちに声をかけた妖精――ナビィ――にかすかに微笑みかけ、彼は視線をそこから引き離した。
――このままでは、感傷に飲まれそうだったから。
「大丈夫だよ!リンクならできるヨ!!」
魔王を倒し、このハイラルに、再び平和をもたらすことを。
「――そうだな。この剣に、誓ったんだからな」
聖剣である、退魔剣マスターソードに。
――この剣が俺を選んだというなら。今度こそ、俺は守ってみせる。
ハイラルを。そして、ゼルダを。
7年前には果たせなかった約束を。
今度こそ、違(たが)えないように。
「行こう、ナビィ」
「うん!」
そして、彼は歩き出した。
その瞳に、揺るがぬ決意を秘めて。





後書き



神代亮也さんからいただきました。
キャ〜〜ッ! リンクよっ! カッコよすぎっ! わー! ぃあ〜!(以下略)
……すいません、つい舞い上がってしまいました。
ちなみにタイトルは私が勝手につけました。センスのなさ丸出しですいません(汗)
こんな素敵な小説を本当にありがとうございました。