「……別に、あなたの事が嫌いってわけじゃないんだけどね」
持って来たブランデーの瓶を軽く放った。
「ああ。まあ、お前は他の連中よりは付き合いやすいな」
受け取ったブランデーを一口だけ含み、再び投げ返す。
「そういう堅いところが……まあ、いい」
残りを一気に飲み干して、サムスはスネークの隣に座った。
「……そうだな。俺はどうにも任務を優先しすぎる」
「だからね、女ってのはよっぽど惚れた相手じゃない限り、自分を見てくれない男を好きにはなれないの。……あなたは惚れさせる隙も見せてはくれないし」
「悪いな」
あまり悪いと思っていないスネークに、サムスは腹も立たなかった。
「あなたはそういう人だから」
空の瓶を適当に放り投げる。瓶はあまり飛ばずに地面に転がった。
「愛してるなんて言うことはないでしょう。でも、だから好き」
「……女ってのは分からんな」
「お互い様」
サムスはスネークの肩に寄りかかった。
「馬鹿、一気飲みなんかするからだ」
「うう……ちょっと休ませて」
「帰ったらファルコンがいるからか?」
「……馬鹿」
力の抜けた裏拳は正確にスネークの鼻柱をとらえた。