※当時公式サイトをチェックしてなかったので、エインシャント島も戻ってきたと勘違いしてました。

「何ていうか。蟻みたいだよな」
働くロボット達を眺めてフォックスが呟いた。
「お前がこいつらのリーダーで、何でもできるし指揮権を持ってる。で、残りは直接戦闘と遠距離射撃、その他メンテナンスとか。綺麗に分業できてるからさ」
コーヒーを出してくれたロボットに小さく礼を言って一口すする。……あんまりおいしくない。
「あいつらは、不自由とか感じたことないのか?」
フォックスの言葉にロボットは小さくうなずいて、近くでメンテナンスをしていたロボットを数体呼び寄せてどこかに行った。どうやら、直接訊けと言っているらしい。
「なあ、お前らって不自由とか感じたことはあるか?」
フォックスが訊ねてみると、ロボット達は一斉に首を横に振った。
「俺たちの世界だとな、社会に不満を持つ奴ってのは必ずいるんだ。お前らにはそういうのはないのか?」
ロボット達は一斉にうなずいて、ちょっと目配せをした後に数体が近くの小さなパネルにコードを接続して何やら操作を始める。少ししてから、別のロボットがフォックスをそこに案内した。
「何だ?」
どうやら、パネルを見ろと言っているらしい。パネルには、小さくデジタル文字が浮かんでいた。

『私達ハ皆同ジ。役割ガ違ウダケ』

「……世の中の全員がお前らみたいなら、争いも何もかも消えてなくなるだろうにな」
フォックスはしみじみと呟いた。